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通学路
転校してからまだ一ヶ月しか経っていない五月中頃。
私・スズキは、クラスメートからいじめの標的にされていた。
転校して一週間くらいは、これから通うこの道を覚えなければ、と、辺りを見回しながら歩いた通学路。
しかし今は一転、わざわざいじめにあいに行かなければいけない、辛い道と化していた。
--行きたくないなぁ……
ここ最近、何度もそう思っているが、毎日お弁当を作って、朝ごはんも作って、いってらっしゃいの挨拶をするお母さんを見ると、そんなことも言ってられない。
私は憂鬱そうに歩みを進める。空模様が今の私の心を表してくれるかのように、灰色の雲が立ち込めていた。
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