通学路

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 帰り道、スマホがないので音楽も聞けず、財布もないので買い食いもできず、とぼとぼと通学路を下を向いて歩いていた。 おかしいな、バックを持ってないから、足取り軽やかとなるはずなのに。とても身体が重い。  こんな毎日が続くなら、いっそのこと消えてなくなりたいよ。 どうせ明日もこうなんだ。明後日も、休みを挟んでもこうなんだ。  アスファルトに水滴が染み入る。 私が泣いた水滴な訳ではない、雨が降ってきたようだ。  天気予報では夕方から降り始めると言っていたが、スマホがないため時間はわからない。きっと、今が夕方なのだろうか。 立ち込めている雨雲のせいで、外の明るさで今何時か知ることも難しかった。
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