雨の日に舞い降りた奇跡

　すると、不思議な光景が広がりました。雨粒が宝石に触れると、その煌めきが広がり、美しい色彩の虹が庭いっぱいに広がりました。虹の光が夫妻の顔に当たり、幸せな微笑みが溢れました。

「このてるてる坊主、本当に素晴らしいね」

　夫の声が優しく響き渡りました。妻は頷きながら、雨粒に感謝の気持ちを込めて祈りました。

　その後も、田村夫妻の家の庭には逆さのてるてる坊主がぶら下がっていました。雨の日になると、町の人々はその場所を訪れ、小さな幸せを感じるのでした。

　田村夫妻は、この特別なてるてる坊主を通じて、多くの人々に幸せと希望を届けることができたことに喜びを感じていました。そして、雨の日にはいつも笑顔で手をつないで、窓辺に座り、幸せな思い出を語り合っていました。

　ある日、町に住む少女・さくらは、学校帰りの雨の日にその特別な場所を訪れることにしました。傘を持たずに歩く彼女は、雨粒が頬に触れるたびに微笑みを浮かべながら進んでいきます。

　すると、目の前に広がる景色に思わず息を飲みました。逆さのてるてる坊主が庭いっぱいにぶら下がっており、雨に濡れながらもその色鮮やかな姿が輝いていました。小さな宝石がきらめき、まるで魔法のような光景が彼女を包み込んでいました。