雨の日に舞い降りた奇跡

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 ある日、さくらが通り過ぎると、逆さのてるてる坊主たちが彼女に微かなささやき声を聞かせました。 「さくらちゃん、願いは叶えられましたか?」  彼女はびっくりして立ち止まり、てるてる坊主たちに向かって微笑みました。 「はい、願いは叶ったみたいです。本当にありがとう」  てるてる坊主たちの笑顔が彼女を包み込みました。その瞬間、さくらは気づきました。逆さのてるてる坊主たちはただの飾り物ではなく、人々の願いや祈りを受け取り、それを実現する力を持っているのではないかと。  それからというもの、さくらは町の人々にてるてる坊主の存在を広めました。彼女は物語を語り、特別な場所を案内し、逆さのてるてる坊主が持つ力を伝えました。町はその情報を次第に受け取り、雨の日には多くの人々がその場所を訪れるようになりました。  特別な場所は喜びに包まれ、雨の日には笑顔と感謝の声が響き渡りました。逆さのてるてる坊主たちは、人々の願いや祈りを受け取り、小さな幸せをもたらしていたのです。  さくらは変わらずその場所を訪れ、てるてる坊主たちと会話を楽しみました。彼女は感謝と愛情を込めててるてる坊主たちを撫で、心の中で願い事をつぶやきました。
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