エンジェルロード

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 これがエンジェルロードかぁ。  目的の場所に着いた僕達は海と海に挟まれた白い砂の道が1本、隣の島へと続いている光景にポカンと口を開けたまま、眺めていた。  観光案内やガイドブックの写真で見ていたけど、なんだか不思議な景色だ。普段は海の中にある砂の上を歩けるなんて……しかも、隼人と。  チラリと隼人に目をやると興味深げに海の間にある砂道を見ている。 「へぇ……すごいな」 「トンボロ現象って言うらしいよ」 「お前、詳しいな」  ガイドブックで得た知識を得意げに披露すると、感心したように隼人は笑い、僕は少し照れた。  隼人達との旅行が楽しみでとことん調べたからね。 「あいつらも来れば、良かったのになーー」 「あ、う、うん……」  隼人の何気なく発した言葉に僕は少し口ごもる。  あいつらが来なかったのは、たぶん……  俯いていると、隼人が心配そうに僕の顔を覗き込んだ。 「どうした? 具合悪いか?」  やっぱり、こいつは距離感おかしい!! 「大丈夫だよ!! あんま、でかい顔寄せんな!」 「ああ、わり」  ハハッと笑った隼人の精悍な顔が眩しくて、僕は怒った振りしながらもチラチラと見てしまう。  ああ、隼人はあの時と全然変わらないな。
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