3️⃣奮発してタクシー乗っちゃえ あ、また先生?!

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3️⃣奮発してタクシー乗っちゃえ あ、また先生?!

駅から寮までのタクシー乗り場、また別の雨の日 先生は、いつものように今日も忙しかった。研修医をたくさんめんどう見ててなんだか忙しそうだった。 さすがに今日はタフな先生も疲れてるのか、なんか、少し顔がテカってるし、髪も多少乱れてるし、てか先生髪が伸びるのすごい早いんですけど! もの静かに座っているので、、 じっと鼻が高くて、ほどよくエラが綺麗な顎のラインと先生の目は、不思議で、程よく目尻がキリッとシャープなのに意外と目は大きくて、目尻はシャキッと切れ長なのに、魅力的な目の形だなって、目がとんがってる。 すこし吊り目というか。 シャキッとしてる。 素敵な涼しげな横顔に雨の日の夜景からの光がキラキラとあたってすごくきれいな横顔 なんかセクシー。 じっと見てた。 先生は、見られてるのに気がついてるのか、なんか他のことに集中してるらしくこっちはぜんぜん見ない先生。 なんかほっぺにチューしちゃいたいかも。 わたしは近視が強めで、最近コンタクトの度数が合わなくなってきた私は、彼の方をちらりと見たつもりが、じーっと凝視してしまっている。 先生が、あ、こっちを見た。 チューを妄想してたのが 超恥ずかしくて急いで目線をそらした。 でも、どうしてこんなにはずかしいの?惹かれてしまうのかな。 自問自答していた。 「先生、実は私、いつも雨の日にだけ、先生が優しく見えるんですよね。(仕事中は、いつも鉄仮面みたいに冷たいのに)なんででしょうか?」 と思わず口を滑らせてしまった。 先生は少し驚いたような表情を浮かべた。 ん? 職場では見たことない顔。 なんか雨の日、驚いた顔の先生かわいい。 いつもの真面目なトーンでゆっくりと答えた。 「それは、、きっと、雨の日は誰もが傘を差し伸べ合うから、優しさが溢れる瞬間だからかもしれませんね。 実は、私もその一部になりたいとたまに思っているんですよ。」先生は少年みたいな顔をして笑う。 あんまり見たことない表情で、ドキドキ その笑顔に、私の心はドキドキドキと心臓の音がしていそう。 先生聴診器当てないと聞こえないはずの音が聞こえてそうで恥ずかしくて余計にドキドキ💓ドキドキしてとまらない。 先生の目は、照れ隠しなのか、どこか遠くを見つめながら、、 めずらしく職場では見なかった穏やかな微笑みを浮かべている。 先生って、、、 ん? こんな風に笑うんですね・・・。 「先生、私、あの、先生のこと、先生は病院の先生だから好きになっちゃ絶対いけないのかなと思っているんです!?でも毎日仕事で会うとなると、わたしのことなので、どうしても気持ちが隠せないし止められないかんじで…」 と苦しいような切ないようなもう説明できない謎の衝動的な気持ちを出会って間もない、なのに、とうとうまさかの本人に直接いってしまった! 絶対やばい!!やつだと思われる😳(どうしよう隣にすわってるんだよ?!密着といっても過言ではない距離で私は変態だと思われちゃう!)  先生はしばらく黙って考え込んだ。(やばいーー) 逃げ場がない。 心臓が口から出そう。、、、 先生は、なんだか可愛い顔をした。えーどうゆう表情?! ゆっくりと言葉を選んだ。「私も同じ気持ちです。 (えーー?!) ただ私たちが働いている医療の現場では、看護師と医者の関係はたしかに慎重にならなければなりません。 、、、私も職務を常に一定の安定感をもって果たさなければなりません。 ですから私たちは今は、このままの今まで通りの関係が一番良いのかもしれません。」  私はチクリと胸が痛む思いを抑えながら、、 でも先生のきちんと考えられている静かて落ち着いたトーンの声におもわず、 はい!こくりと頷いてしまった。「わ、分かりました。でも、あなたと一緒に帰れるだけで、わたしすごくしあわせです。この時間は私にとってほんとに大切なものなんです。それだけはぜひ、ずっと、変わらないでいてほしいんです。」 なんだかわけのわからないことを言ってテンパってしまった。 先生は、わたしのあまりのテンパリ具合に、苦笑しながら、、 やさしく微笑み、な、なんと、 大きな手で、わたしの手を優しく握ってくれた。  大きな手なのに、なんて優しい力加減なんだろう。 なんだか、先生の手は他の人とぜんぜん違う。 電気がはしるような、惹き込まれる、吸い込まれるような、引力がすごい。 すごく温かくて、すごく癒される病気なんてすぐ治っちゃいそうな優しい魔法? 癒しの手だった。 「約束します。私もあなたとの時間を大事にします。」 その瞬間、私たちの関係が、少しだけ変わった気がした。  新しく赴任してきた先生としての関係は変わらないかもしれないけれど、私たちの心の距離はわたしのテンパって出たなぞのテンションとタクシーで手を握り合うなぞの事態に少しだけ距離が縮まったのかもしれない。  雨の日にだけ、先生は優しい。 仕事中は厳しくて、こんなこと言いたくないけど、バタバタしない! おぃ、出したものはきちんと戻しなさい! とお母さんみたいなことでおこってくれる先生にキュンキュンしてるおおらかでちょっとズボラで、ドジな看護師のマイ。  そんな新米看護師のたわごとにこんなに丁寧に見事に対応してくれるなんて、むしろ、マイは、想像妊娠してしまいそう。 いやなんて失言をするんだわたしってば。真面目な紳士な先生なんだから。 絶対、出会い系アプリとか合コンとか行ってないでほしい。 現代にめずらしい、本物の紳士だったりして、、、。 クラブなんて絶対いかなそう。勉強忙しかっただろうし、6年も大学行かなきゃいけないし研修医大変らしいし。 いや現代に珍しい真面目な真面目な紳士なんだよ。 いや、わたしが今まで付き合ったひとたちが最悪のバットボーイかクズしかいなかっただけだから。 (駅まで送ってもらったこともないし、みんなお金なーいとかいって渋々割り勘。) もちろん先生は、近くの寮に住んでる私を寮の近くまで送ってくれて、 先生はわたしは少し先なので、では。 といってタクシーで帰っていった。 なんてスマートな紳士。 わたしにタクシー代払えなんて野暮なことはいわないよ。 あたりまえか。紳士だし、医者は給料高いし。 夢の中でも、現実でも先生は同じだった。 なんて素敵な紳士なんだろう。 彼女、そりゃいるんだろうな。 彼女がたくさん?! もう結婚してるかあ。子供3人ぐらいいたりして。 パパだからあんな落ち着いてるのかな。 でも髪がふっさふさというかある意味爆発するぐらい真っ黒で、髪が多くて、生きてるなーってかんじに髪がふさふさ。 あんな素敵なひと。、、、 病院の近くに一人暮らしなのかな。 なんで、独身なんだろ。 考えるのやめよ。 詮索しない。 Google先生にき、 聞かない。調べない。 論文とか英語なら、出てくるかな。 研究発表とか出てくるかな? あ、これじゃネットストーカーだ。 てゆうか、下の名前がめずらしすぎて読み方わからない🙃🙃🙃🙃 その後、私は複雑な気持ちで駅までのタクシーの中を静かに過ごしました。  先生との会話の中での微妙な空気感や手を握り合った瞬間の温かさが胸に残り、私の心はキラキラ揺れ動いていました。 先生は少し驚いた表情を浮かべながらも、優しく微笑みながら私の手を握っていてくれました。 駅に到着し、先生はタクシーを降りて別れの挨拶をしました。 私も先生に対して、ありがとうと伝えると同時に、また会える雨の日を楽しみにしています! と素直にいえた。 先生も仕事中は見せない優しい顔で少年みたいにピュアな顔をして微笑みながら、お互い仕事頑張りましょう! と言って爽やかに去っていきました。 駅のコンビニの前に立ちながら、先生との出来事を思い返すと、胸の中には切なさと、幸せが入り混じった感情がふわふわ広がって、何を買ったか忘れてしまいました。 私たちの関係が、これからどうなるのかは、分かりませんが、このままの思い出を大切にしながら、新しい日々を過ごしていきたいと心に誓う。 駅から電車に乗り込むと、外はまだ雨が降っていました。先生も近場に住んでるんだ。 どんなテレビ好きなのかな? テレビ見るのかな、いつも資料とパソコンみてるとこしか見たことないから。 私の心は、雨じゃなくて晴れてる。 先生といると人に優しくなれる。 しあわせな気持ちでいっぱいでした。 ずっと雨降ってくれればいいのにな、、、
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