究極の選択

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 ――と、そこまで考えてふと我に返る。  暗がりの洗面所に佇んで、選択に迷っていた俺は深い息を吐く。早まらなくて良かった。 「二」を選択するのは破滅行為に等しい。「一」の通り見なかったことにして洗面所を後にした。    寝室の心地よい冷気に包まれ、賢者の選択をした俺は安心してベッドに横になる。隣に寝る玲香の寝息も聞こえる。これでいい。そう信じて疑わない俺は、目を閉じた。  その瞬間、耳がとらえる。ついさっき聞いたばかりの不快な音を。 ――カサカサカサ。
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