私のちっぽけな冒険

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ひたすら漕ぎ続けてどれくらい経っただろうか。 「お腹減ったな…」 時間はもうすぐ11時を回るころで普段なら3時間目の微妙に小腹が空く時間だ。 休憩場所を探すと湖にしてはちょっとだけ小さい、でも池と呼ぶには大きすぎる湖があった。 「ちょうどいいや」 近くの岩に腰を下ろして深呼吸をすると澄んだ空気が体内に入ってくるのを感じる。 丁度いい温度の風が髪をなびかせていて心地いい。 こうして自然に囲まれながら何も考えずただぼーっとする時間が好きだ。 「結構遠くまで来ちゃったな…」 休憩をはさみながらとはいえもう1時間くらいは冒険をしていることになる。 「まぁなんとかなるでしょ!お弁当食べちゃおっと」 お母さんが作ってくれたお弁当、今日のおかずは私の苦手なピーマンの肉詰め。 「昨日の晩も食べたのになぁ…まぁ仕方ないか」 作ってくれるだけ感謝しないと。 「いただきまーす、、、ん?美味しい!!」 苦手なはずなのにやけに美味しく感じる。 「めっちゃ美味しいじゃん、なにこれ?」 お腹が空きすぎてたからなのか、それともこうやって青空の下で食べてるからか。 あっという間に完食してしまった。 「それにしてもこんなところに湖があるなんて知らなかったな」 ずーっとここに住んでるのにまだまだ知らないこともあるもんだね。 だから行ったことのない道を気の向くままに進むのが好きなんだ。 こうして新しい発見ができる。 「はぁ、癒される〜」 勉強とか将来のこととか色んな悩みがこの風に乗って全て消えていくみたい。 「なんか青春してるな、私」 大人になったら多分こんなことは出来ないんだろうなぁ。 だからこそ今この瞬間を後悔しないように生きたいんだ。 「よし!そろそろ学校行きますか!」 最後にこの景色を写真に収めてから再び自転車に乗り学校へと向かう。
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