狐の友達

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壱 あの日を、今でも思い出す 今はもう居ない、田舎にあるひいおばあちゃんの家で 小学生の夏休みを過ごしていた。 あの日、 私は森の中を歩いていた。 …蝶でも見つけたのだろう 私は、逃げていく白い布切れのようなものを必死に追いかけていた。 ひらひら、ひらひら、と逃げていく布切れ それを追う私 走れば走るほど布切れも早く逃げていく 急に、布切れが止まった。 追いついた。 そう思った時、 私は草原に居た。 そして、あの雨が降った。 あの雨の時に見た風景がとても綺麗だったのに 靄がかかったように 今では何も思い出せない。 あの雨は狐の嫁入りと言うんだよ。 どうやって帰ったのかは分からないが 帰ってきた後、ひいおばあちゃんに教えてもらった。 そう言えばあのときに、鈴のついたお守りをなくした気がする 少し、気に入ってたんだけどな 今はもう社会人の私が、なぜこんな話を思い出したのかわからない。 ただ、一つ言えることがあったなら 今日は狐の嫁入りだった。
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