恐怖の秘密基地

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 その提案に私達は目を輝かせた。秘密基地、なんと素晴らしい響きだろう、心の奥底から湧き上がる高揚した気持ちは彼らも同じだったに違いない。すぐに賛同してからどこに作るかという話になった。自由帳を持ってきて、人に見つかるのは面白くないとの意見が一致し、当時不審者が出るだとか幽霊が出ると言われ立ち入りを制限されている場所があった。黄色のロープが貼られていたが私達はその先に秘密基地を作ろうと計画した。それからすぐロープの先へ行くと、小径(こみち)を抜けた先は開けた空き地があり中央には葉を茂らせた大きな木が立っていた。太い枝同士がちょうど良い塩梅で広がっており、枝の間に板で床を作れば木の上に秘密基地を作れるぞと盛り上がった。  それから事が進むのに時間は掛からなかった。それぞれが物資を調達し、木の上に秘密基地を作る計画が実行された、八月一日の朝だ。  蝉の声が遠くで聞こえた。私達がいるこの場所には木が一つあるだけで他は何もなかった。入口も一つだけで本当に秘密の場所だったのだ。  二日という時間を掛けて木の上に床を設置し、その日の夕方前お菓子を持ち寄ってお祝いをした。しっかり固定された床、みんなですごいと褒め合いながらポテチやジュースを飲み堪能した後、夕焼け小焼けのチャイムが鳴り私達は秘密基地を後にした。
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