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そう言いながら臭いに耐えて水をかけウサギを撃退した。臭いを防ぐためドラム缶の上に板を置き重石を乗せた。昌平はこれでいいやと秘密基地へ上がりサイダーを開けて飲んでいるようだったが、私にはどうも変な気配というか気味の悪さがまだ消えてはいなかった。まだいる、そう思えてならなかったのだ。
然しいつまでもウサギに気を取られてばかりいてはせっかくの夏休みが楽しめないと思った私は、秘密基地へ登り二人で一緒に宿題をしていた。その時の話題で……。
「そういやお前、何で昨日来なかったんだよ。弦紀が心配してたぞ?」
「えっ? 行ったよ、でもみんながここに居なかったんじゃないか。代わりにあの気持ち悪いウサギが居たんだぞ」
「はぁ? んなわけないだろ。昨日弦紀達とここで集まって宿題したりお菓子食ったりしてたんだぞ、家に行っても卓也はいない、卓也はいないっておばさんもちょっと変だったぜ?」
どういう事だ。昨日は朝に家族と出掛けて昼過ぎにはここへ来たんだ。
「どうなってるの? 変だよ、昼過ぎここに来て僕ウサギを見て気持ち悪かったけど一人で勉強してたんだ。でも夕方になっても誰も来なくて、今日来てみたらウサギは秘密基地の上にいてさ……」
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