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「えっ⁉︎ 待て待て! 俺達は昨日昼過ぎにここに来たけどお前居なかったぞ! それにウサギは昼過ぎじゃなくて夕方前になったら急に木の下に現れたんじゃないか!」
この時、私と彼は混乱していた。時間も同じぐらいなのに私達は会えていないのだ。それに謎のウサギでさえ出現した時間が違うなんて、途端に気持ち悪さが増して吐き気すら覚えた。昌平も流石に気持ち悪いと感じたらしく、私達は二人顔を見合わせ秘密基地を降りようとしたその時だった。
「ぎゃあああ‼︎」
「うわあああ‼︎」
燃やしたはずのウサギが秘密基地の梯子のところに居るではないか。昌平がバラバラにした手足も元に戻っている。私は恐怖のあまり泣いていた、昌平も顔面蒼白で二人でブランコの縄を伝い地上に降りてその場所を後にした。振り向いた時、ウサギは秘密基地の上にいた……。
*****
家に帰宅した後、私は自室に一人で居るのが恐ろしくなりリビングでテレビを見ていた。途中だった宿題も家族のいる場所でやった、母親からは部屋でやりなさいと言われたが私はとても部屋へ行く気になれず、「ここでする」とだけ呟いた。家にいるのに何故か見られている感覚が未だ抜けない。どこかで見張られている気がする、気持ち悪い……。
トゥルルル——(ビクッ‼︎)
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