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梅雨の季節
雨が降ってくるのを嫌がる人が多い中
雨が降るのを心待ちにしている男の子がいた。
「雨…降らないかな…」
帰り道、歩きながら雲一つ無い空を見て残念がっていた。
家に帰って来た男の子は外には遊びには行かず家の窓から空を眺めて雨が降るように願った。
「…雨よ、降れ!」
そして次の日の朝
雨音で目を覚ました。男の子はベッドから飛び起きカーテンを開けたら雨がザアザアと降っていて男の子は大喜び急いで着替えて外に出た。
「やった!…降った!」
男の子は新しく買ったカッパと長靴を履いてぴちゃぴちゃと雨の中、歩いて行く
「ふ~ん…フフン…」
時折、鼻歌を歌いながら雨の中を楽しそうに歩いて行く
「あ、咲いている!…」
途中、紫陽花が咲いているのを見つけて見ていたらちょうど葉っぱの間からカタツムリが出て来て男の子は喜んだ。
「あ!…カタツムリ!」
男の子は更に嬉しくなりまた歩き出した。
ピチピチ、チャプチャプと歩きながら進んでいくと今度は蛙に会った。
「あ!…かえるさんだ!」
男の子は蛙と一緒にぴょんぴょんと跳ねながら蛙が行く方向にぴょんぴょんと付いていく暫くすると小さな池にたどり着いた。
蛙はその池へと跳び込んでしまい男の子はちょっとがっかりしながらもまた雨の中を歩いて行く
「あ…つまんないの…ま、いっか…ふふ…」
ピチピチ、チャプチャプ、時折ぴょんぴょんと跳びながら歩いて行く
ふと気づくと雨がいつの間にか止み空には綺麗な虹が掛かった。
「わあ!!…キレイ…」
男の子はカッパのフードを取り空を見上げて喜んだが少し残念そうだった。
「…雨…やんじゃた…また降らないかな?…ま、いいや…帰ろう!」
男の子はまた雨が降ってくるのを楽しみにして水溜りに写る虹を見てまたピチピチ、チャプチャプ、時折ぴょんぴょんぴょんぴょんと跳び家に帰って行った。
雨が降ると誰でも嫌がる人は多いけど…男の子は雨が大好き!
だって時々、素敵な贈り物をくれるからだからまた願う
「雨よ!降れ!」
おしまい
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