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道というテーマに対して、
未知というタイトルを選ぶのは、
あまりにも安直というか、ひねりがない。
だけど、上手いこと出来ているとは思わないだろうか?
例えばこれからの未来を「道」と捉えるのであれば、
そこに確実性は存在せず、実際に「未知」なのだから。
そして今、私の目の前にボールを追いかけて
車に轢かれそうになっている子どもがいる。
私が走り出してあの子を救うことも出来る。
だけどもしかしたら一緒に轢かれてしまう可能性もある。
このまま見守っていることもできるし、
大声で叫ぶこともできる。
そう、まさに「未知」だ。
偶然なのか必然なのか。
道は未知で、未知は道。
だからこうして、目の前で子どもが他の誰かに助けて貰っているのを
眺めるという他の選択肢が加わったのも、
私の中では未知だったことであり、
あの子どもの道はここで終わらない未来を迎えたということだ。
世の中と言うのは、本当に分からないことばかりが起きる。
そう思いながら、私はそっと手の中に握っていたそれをカバンにしまい、
帰路へとついた。
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