第一章 雨の日の君

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第一章 雨の日の君

「今日も、全国各地晴れの予報です」    テレビから流れる天気予報は、昨日と変わらない。 「なかなか雨が降らないな」  私たちは、このまま晴れの日が続くと生きられないらしい。  干ばつで、水不足ということが関係している。  私の場合、曇りの日か雨の日が一番身体が動かしやすい。  晴れの日が続くと寿命が縮む病気。 短命といわれ、治療法がない病。 だから、外に出ることができない。 ものごころついたときから入院生活を おくっている。  「雨よ、降れ」  呪文でも、何でもいいから届いたらいいのに。  雨の日にしか現れない君は私に。雨が降らないと私は死んでしまうから。  君に会えるまで私、生きていたい。
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