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転校生
春休みが明けた。
結局、
なんにもしなかったなぁ。
でも、
起きずにぶっ続けで昼まで寝たり、
ナオトとオンラインゲームしたり、
ハルとゲーセンで遊んだりしたの、
楽しかったなぁ。
星谷 敬はそんなことを思い出しながら、通学路の電柱を蹴った。
「いっだ」
敬は気の小さい、ビビりな14歳(今年で中学三年生)だ。幸い忠二病には罹っていない。市内のどこにでもある、四丁目の角に立つ一軒家に住む四人家族の一人。
好きなものは入り豆。嫌いなものは納豆。
「おはよ、敬」
しばらく歩くと、敬の友達のハルが、後ろから肩を叩いた。無造作なくせっ毛は、まるで起きた時そのままだ。
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