プロローグ

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プロローグ

俺の名前はろく。 この呼び名は、7年前まで住んでいた地球上で、一緒に暮らした人間の雌が、俺の事をこう呼んでいた。 今の俺は、何だかフワフワした、気持ちの良い場所で毎日のんびりしている。 特にやる事も、食べる事も今はない。 まあ、快適だ。 ここに来た時に、これからの名前はどうする?と聞かれて… アイツの事を忘れるのも何だから、そのままの呼び名にした。 まあ…嫌な奴ではなかったな。 俺は時々、地球に行ってアイツの様子を見てくる事がある。 別に心配な訳じゃない。 ホントに、ただ見てくるだけだ。 俺の猫としての生涯が終わった時、アイツは少し泣いていた。 でも、今は結構元気そうだ。 アイツは俺が一緒に暮らす前から、家の外の植物を溺愛していた。 俺に話しかける事はそう無いのに、外で庭の植物にはよく話し掛けていた…ちょっと変な奴だ。 これは、俺が様子を見に行った時(様子を見るとは、外見も頭の中も、過去の思い出も、見る事が出来る) アイツが夢中になっている植物の話だ。
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