入学式の日

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 結局ロージィ様に押し負けた。  侍女さんは超高速でお団子風編み込みツインテールを作り上げる。所要時間約一分。ロージィ様が猛プッシュしただけのことはある。  姿見に映った私の平凡顔は、あっという間に可愛さ十割増し(つまり二倍ぐらい)になった。似合う髪型を一瞬で見抜く眼力。恐るべし超有能侍女。 「わたくしの侍女の手にかかればこんなものですわ」  出来栄えに満足したのかロージィ様は得意顔になる。  右から左から斜め後ろから編み込みの仕上がりをチェックする様子は、なんだか小動物みたいで可愛い。  美少女のデレ顔の破壊力ときたらもう凄まじいの一言だ。  前世の私は攻略対象しか眼中になかった。こんな可愛い生き物が全く見えてなかったとか、自分どんだけだよ。
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