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ダンスパーティの日
あれからおよそ一年の月日が流れた。
その間、ロージィ様は身に覚えのない罪を被せられて何度も断罪された。
私の悪口を言っていたことにされて怒られたのが二回。悪評を流したといって咎められたのも二回。持ち物を壊したといって取りざたされたのが一回。悪事の濡れ衣を着せたといって叱責されたのが一回。
挙句の果てに私を、階段から突き落としたことにされてしまった。
騒ぎが起こるたびに私は必死に訴えた。ロージィ様は悪くない。ロージィ様は何もしていない。評判なんて別に気にしてないしどうでもいい。私が勝手にものを落として壊した。
けれども状況は最初のときと同じだった。何をどう訴えても一から十まで起こったできごとを説明して誤解を解こうと躍起になっても、私の言葉はすべて殿下の耳を素通りした。
悪意を知らない清らかな乙女と言われ、眩し気な視線を向けられるばかりだった。全然話が通じない。正直キモい。
ロージィ様はいま、ご自分の部屋に閉じ込められている。学長が謹慎処分を申し渡したからだ。
私は誰かに階段から突き落とされたのか。
実を言うと、この件に関しての記憶がない。気づいたときには階段の下に倒れていた。頭をひどくぶつけたせいか、落ちる直前のことはいくら考えても思い出せなかった。
ロージィ様にはアリバイがなかった。
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