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「私の告白……そんなに軽かったかな。圭ちゃんが好きで、付き合いたくて告白したけど……全然伝わってなかったのか……そっか」
どうやら泣いている彼女を無視できるほど、わたしは人間を辞めれてなかったようで。
「いや、わたしも鮫……冷ちゃんのことは好きだし付き合ってたいけど。迷惑かなって」
そう言った直後耳に入る、くすりという笑い声。咄嗟に
「いや、ちゃうんです。その、付き合ってたいってのは友達、そう友達付き合いのこと」
と誤魔化してみたものの。
「ふふ、そんな誤魔化さなくていいから……私も圭ちゃんのこと好きだよ」
目薬片手ににぱっと笑い、そう言った鮫洲冷は平素とのギャップでとても可愛らしく見えた。
「あ、圭ちゃん顔真っ赤だよ。やっぱり今日暑いしそろそろ教室戻ろっ!」
「顔が赤い理由の大半は貴女のせい何ですけどね」なんて敢えて口にするほど不粋ではないわたしは、手を引かれ教室に戻る中ぽしょりと内心こう毒づいた。梅雨なんだから雨よ降れって。
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