Verre-3 灰だらけのガラス

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「白い羽の素敵なドミノさん。貴方はお屋敷にいたわよね。リオンの従者?」 「俺は一応そんな感じのものですが、あの家の使用人ではありませんよ。俺はリオンの魔法使い。彼だけの魔法使いですから」 「魔法使いさん?」 「えぇ。リオンに素敵な魔法をかける、彼の素敵な魔法使いですよ。俺はアンブロワーズ・リーデルシュタインです。以後お見知りおきを、シャルロット殿下」 「よろしくね、素敵な魔法使いさん。今度わたくしにも魔法を見せてくれる?」  シャルロットと話をしている間、アンブロワーズはずっとリオンの手を握っていた。振り払おうとすると、より強く握られる。連れ帰って来たガラスの君を国王と王妃の元へ連れて行くようにと言って使用人が訪ねて来たのは、リオンがアンブロワーズの手をなんとか振り解いた頃だった。
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