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いつもは、晴れ女であることを誇らしく思っていた。
運動会の日も、遠足の日も、修学旅行の日も、天気予報の雨を覆して晴れにしてきた。
でも、今だけは自分が晴れ女であることが恨めしい。
お母さんの言葉を信じたくなくて、天気予報のアプリを見てみた。
1週間、太陽のマークが並んでいる。
降水確率はほとんど0%と記載されていた。
雨が降らなきゃ、陽太くんと話せない。
私は陽太くんと話したいだけ。
そして、あわよくばバスで隣の座席に座って、学校までの40分間、少しでも彼に近づきたい。
ただ、それだけなのだ。
◇◆◇◆
次の日も、その次の日も天気予報は覆らなかった。
毎日あめあめ坊主を作って、雨をお願いしても、太陽は私をあざ笑うみたいに空から照り付けて来る。
きっと、陽太くんは告白の返事をもう済ませてしまっただろう。
陽太くんが恋人らしき人といるところを見ないのが幸いであり、でも答えがわからない時間が続いてやきもきした。
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