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「俺ね、ゲイでしょ?
昔さ、友達だった初恋相手に告白をしてものすごく拒絶された事あるんだよね
ゲイなんて気持ち悪いって散々罵しられてさ
人格を否定された感じがして思ってたよりダメージ大きくて
人を好きになるのが怖くなって、特定の人を決めずに体だけの関係でしか付き合えなくなったんだよね」
「そう……なんだ」
「修と出会った日にね、告白したやつを見かけたの
そいつさ男と腕組んで楽しそうに歩いていたんだよね
俺が告白したとき、散々罵ったくせに
あのときのあの言葉は何だったんだろうって
それに縛られてきた自分が何だか滑稽に思えて」
修が悲しそうに笑う。
「修――」
「とりあえず飲みたくなってあのバーに入った
酒のんでたら、誰でもいいからめちゃくちゃにしてやりたいなって思い始めたんだよね
その時にね、怜央の話し声が聞こえて聞いてしまったんだ」
何を話してたっけ?
彼氏と別れた話だったような……。
「誰か癒やしてくれないかなって聞こえた瞬間声を掛けていた
最初はめちゃくちゃにしてやろうって思ったんだけど……」
「しなかったよね?」
「怜央のことを気持よくさせてたら俺もだんだん昂ぶっちゃって、止まんなくて
ある意味めちゃくちゃにした」
「ある意味……確かに……」
「たぶんね、最初から玲央に惹かれてた
手放しちゃいけない気がすると思って提案した」
「なんでセフレだったの?」
「もう1回したいなって思って
友達じゃできないし……
怜央の隣は居心地が良くてさ
俺のことを否定しないし
いつの間にか好きになってた
怜央の心もほしくなってしまった
でも、やっぱり怖くて伝える勇気はないし、もし今怜央に好きな人ができたって言われたらどうしようか考え始めて……」
「それで?」
「今ならまだ手放せるかもしれない
終わりにしようと言われて傷つく前に自分から離れようと思った」
「で、嘘ついたの?」
「そう、馬鹿だよね……
離れられるわけないのに
毎日玲央のことを考えていた……
気が狂いそうになるくらい会いたくて」
なんだよそれ。
俺のことめちゃめちゃ好きじゃん。
俺は項垂れた。
嬉しくて、顔が綻んでしまう。
「怜央?」
心配そうに修が声をかけてくれる。
この馬鹿な男に分からせてやらなきゃ。
俺が修のことを好きだって。
顔を上げて、修の目を見る。
その瞳には俺しか映っていない。
とてつもなく愛おしい気持ちが溢れ出る。
「俺も好きだよ、修
だからもう二度と離れようとすんな」
そう言って抱きしめた。
強く強く。
「ほんとに?嘘じゃないよね?」
「嘘じゃない
めちゃくちゃ好き
会いたくてたまらなかった」
修が強く抱きしめ返してくれた。
「ねぇ、もう二度と離してあげないから
覚悟してね」
お互いに顔を見合わせて笑った。
そして、優しい口づけをした。
世界で1番甘美なキスだと思った。
何度も口づけを交わす。
「修、したい」
耳元で囁くと、「俺も」と囁き返してくれた。
キスをしながらお互いに服を脱がせあった。
修の唇が顕になった俺の肌に吸い付く。
「ちょっ、見えるとこはやめろって……」
「虫除け」
「おい」
敏感になっている乳首を弄られて声を上げる。
やんわりと硬くなり始めた俺のものに修の手が伸びる。
「アッ……同時は……ダメだ……って……ンッ――――」
「だってこれ怜央好きだもん
1回出しとく?」
「アッ……ヤダ……挿れてから……」
「我慢できるかなー?」
修は楽しそうに言いながら、俺の口に指をさしだしてくる。
俺はその指を舐めて唾液を纏わせる。
引き抜かれた指は俺のヒクつく孔へと挿し入れられた。
「アァ……ッ」
俺の中を知り尽くしている修の手によって俺は簡単に陥落させられる。
「今日は何回イケるかな?」
俺の孔に自身の硬くなったものを押し付けながら修が呟く。
ゴム足りるかな……そんな事を考えていると修が一気に貫いてきて、体が仰け反った。
「ヒウ……」
「何?考え事?
余裕だね」
激しく腰を打ち付けながら修が妖艶に笑う。
「何も考えられないようにしてあげるから」
「アッ、はげし……――」
喘ぐことしかできない俺を修が容赦なく攻めたてる。
「怜央、俺の怜央」
一気に高みへ突き上げられて、俺は勢いよく射精した。
そのままゆるゆると浅いところを擦られて、また快感が体を駆け抜ける。
何度も何度も繰り返し、もうイクことを止めることができない俺は、修に絡みついてただひたすらに与えられる快感を拾っていく。
修は何度も好きだよと囁きながら、俺の中に精を吐き出した。
「怜央ごめん、またやりすぎた」
動けない俺の額に優しい口づけを落として頭を撫でる。
「久しぶりに動けないかも……」
「怜央が好きすぎて、つい……
ずっとかわいいし」
優しい眼差しで俺を見る。
「急にそんな甘くなるな……
恥ずかしくなる」
居たたまれずうつ伏せになって顔を隠す。
きっと俺の顔は赤くなっているに違いない。
「いいじゃん、ずっとこうしたかったんだから」
俺を抱き寄せて、キスの雨を降らせる。
だぁー、急に変われないって。
「修ってほんとに俺のこと好きなのな」
「うん、大好き
ずっと離さない」
ギューッとホールドされて動けない。
「痛いって……
言われなくても離れないから心配すんな」
「怜央ー!!もう一緒に住んじゃおうよ
毎日怜央と一緒にいたい」
「はっ!?急すぎんだよ」
怜央と離れたくないと泣きつかれて、最終的に分かったと頷いてしまった。
もう無理だって言ってるのに、シャワーを浴びるだけでは済まなくてまたやった。
ヘトヘトになった俺はベッドに倒れ込む。
幸せそうな顔をした修に抱きしめられながら俺は眠りについた。
「ん――、修――?」
目を覚ました俺は修を求める。
よかった、今日は隣にいる。
「好きだよ、修」
そっと額に口づけて、愛しい人の寝顔を飽きることなくただ眺めていた。
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