目覚めると競走馬になっていた！

目覚め

「どこだ……ここ？」

　目が覚めてゆっくり起き上がる。体に伝わる振動から車に乗っているのがわかった。

　(そうか……救急車の中か、それにしてもよく助かったもんだ……)

　酔っ払ってふらふら歩いた大きな道、そこが高速道路だとわかった時には後ろから来たトレーラーにはねられていた。空を飛んだな、星空がきれいだった。そのままかなりの高さを落下、おそらく高速道路から落ちたんだろうな……そして激しい衝撃。

　これで助かるとは、俺は運がいい！

　それにしてもなんだ？　普通救急車の中ってベットとかあるんじゃないか？　サイレンの音もしない。

　辺りを見回す。何もない、じっと自分の手を見つめる。

　え！　何これ？　指がねぇ、なんか形が変！　馬の手みたいな、いや、前足？

　窓ガラスにうっすら映る自分の姿を見つめる。

　俺は自分が馬になっているのを理解した。