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競走馬
到着した場所は広大、円形の走るコースがある。コースの内側にはさらにコース、何重にもコースがあり馬が走っている。
人を乗せてコースを走る馬、コースが空くのを待つ馬、人に誘導されて歩く馬や体を入念にチェックされる馬。
俺、やっぱ競走馬だ……
その日は藁を引いた部屋で過ごす。
(おそらく、ここが厩舎というやつか)
次の日から人を乗せてコースを走った。
心地いい、自分がこんなにも速く走れるなんて、乗ってるヤツの重さも感じない。
(風になったようだとはこのことか……)
適当に運動して厩舎で休む、競走馬も悪くない、と思ったが一つだけ不安がある。
(俺は強いのか?)
厩舎で一人でいる時、不安がよぎる。
競走馬は速く走れなければ意味がない、生きて行けない、ダメな馬は殺処分されるとも聞く。
(馬刺しにされるとか……)
じょ……冗談しゃない、殺されてたまるか!せっかく助かったのに! 考えると眠れない日もあった。
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