目覚めると俺は競走馬になっていた!

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 到着した場所にはたくさんの人と馬がいた。 人を乗せてコースを走る馬、コースが空くのを待つ馬、人に誘導されて歩く馬や体を入念にチェックされる馬。  俺は自分が競走馬だと理解した。  一日のほとんどを藁を引いた部屋で過ごす。  おそらく、ここが厩舎というやつか。  そして、たまに人を乗せてコースを走る。  心地いい、自分がこんなにも速く走れるんだ、乗ってるヤツの重さも感じない。  風になったようだとはこのことか…… 適当に運動をして厩舎で休む、競走馬も悪くない、と思ったが一つだけ不安があった。  俺は強いのか?  競走馬は速く走れなければ意味がない、生きて行けない、ダメな馬は殺処分されるとも聞いている。  馬刺しにされるとか…… じょ……冗談しゃない、殺されてたまるか!せっかく助かったのに! 考えると眠れない日もあった。
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