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慌てて走り出す、乗っている騎手がバランス崩したのがわかった。でもなんとか落馬は免れた、背中にへばりついて体勢を立て直した。
うおー!
狭い内側のコースを駆け抜けて先団に出る。目の前を逃げている馬のお尻が見えた。
え? 前に一頭いる! あ! こいつさっきの血走り野郎だ!くそ、結構速い! 並ぶこともできねぇ!
その時、グイッ、女性騎手が手綱を引いた。
クワッ!
顎が上がり衝撃で失速、一瞬頭がくらくらして、あっという間に最後方。
てめぇ、なんてことしやがんだ! 後ろまで下がったじゃねぇかぁ!
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