失恋(6)

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 割り切ることが出来た?  ……なにを? 「……ふざけないで」  先輩の口から冷たく、低い声が漏れる。  聞いたこともない先輩の声に看取り人は三白眼を大きく広げる。 「言わなかったのは……どっちよ」  切長の右目が燃え上がる。 「先輩?」 「貴方は……いつもそう。私の方が年上なのに大人ぶって……子ども扱いして……何でも分かったような顔して……まったく的外れなこと言って……」  先輩の切長の右目から涙が一筋流れる。  看取り人の三白眼が小さく震える。 「今だってそう。全然分かってくれてない。私のことなんて……どうでもいいんだ」  もういいや。もう……どうでもいい。 「貴方にとって……私なんてただの昼友だったってことでしょ?」  この人に気持ちを伝えたって意味はない。  この人は……私のことなんて何とも思ってないんだから 「先輩?何を言って……?」 「もう近づかないで。話しかけないで」  先輩は、手の甲で涙を拭い、背中を向ける。 「さようなら」 「えっ?」 「幸せになってね。応援してる」  そう言って先輩は、走っていく。  看取り人は、右手を伸ばして追いかけようとする。が、スマホが鳴る。
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