失恋(7)

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「おじさん!おじさん!おじさん‼︎」  先輩は、泣きじゃくり、叫んだ。 「先輩」  先輩の肩に温かい温もりが優しく落ちてくる。 「先輩……大丈夫ですよ。落ち着いてください」  耳に入ってくる抑揚のない、しかし心地よい声。  取り乱していた先輩の心がゆっくりと静まっていく。  先輩は、涙に濡れた切長の右目で声の主を見る。  三白眼の綺麗な目がこちらを見ている。 「君……」 「もう大丈夫ですよ」  彼……看取り人は、抑揚のない声と乏しい表情で告げる。  そして意識のない白髪の男の前に跪く。 「探しましたよ」  看取り人は、白髪の男の顔をじっと見る。  そして言う。 「僕は看取り人です」  看取り人の発した言葉に先輩の切長の右目が大きく見開く。 「貴方と最後の時を過ごす為に参りました」
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