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「駅どこ?」
「えー…10個先?これ何?快速?」
ドアの上の路線図を指差しながら答える。
「実家より向こう?」
「そうそう。実家から6個?各駅だったら」
「ふーん」
「瑶はまだ実家?」
「あぁ」
「じゃあ、あと2個…」
「翔也に教えんなよ」
「え?」
「家の場所」
「…うん?」
「俺、お前と再会してから、結構色々傷ついてんだけど…」
「ごめん」
「好きだったのに、何も言わずにいなくなられて。電話も出ねぇし」
「…」
「再会したら意味もわからず会いたくなかったって言われるし」
「いや…ちょっと」
「どうにかしてくんない?」
「ごめんて」
しれっと「好きだった」とか言わないでよ…。
LINEの通知音が聞こえる。
『砂都ちゃん電車降りたよ』
『葉月ちゃんはどの辺?』
『まだ瑶と一緒?』
「あ‼︎瑶?駅過ぎてない⁈」
「俺は柳瀬の家に行くけど?」
「は?」
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