想い出が始まる前に

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定時で上がるとエントランスに翔也が来ていた。 「あー…」 だから会社知られたくなかったのに。 「葉月ちゃん」 「あれ?どうしたのー?」 「近くで商談あって、直帰だったから」 「連絡くれたら良かったのに」 「…連絡してからだと、断ってたんじゃない?」 「…」 「やっぱ瑶か…」 「いや、あの」 「俺さー試合中、2人の事よく見てた。いいなーって…」 「え?」 「毎回、点入れるたびに葉月ちゃんを見てたもんな、あいつ」 「そう…?」 「あーあ。再会させちゃったの俺だもんなー」 「…でも、瑶は…彼女がいるんじゃ?」 「葉月ちゃんでしょ?」 「え?」 「昨日、言われたよ。柳瀬は俺の彼女だからごめんて」 「は?」 「じゃ、俺はこれで…」 翔也が出て行った。私はその場に立ち止まったまま。 「あーもう‼︎わかりにくいヤツ‼︎」
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