想い出が始まる前に

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「では、フリータイムに入りまーす」 今度は話したい人と好きなだけトークできるフリータイムの時間だ。先程並べられていた椅子が司会者も含めた3人のスタッフにより隅に片付けられていく。男性陣が動き出し、お目当ての相手に声をかける。早速、砂都ちゃんの所に3人集まっていた。 「さすが砂都ちゃん」 まるで興味のない私は入口付近に置かれているドリンクを選んでいた。一口サイズのケーキも何種類か置かれている。ささやかな飲み放題、食べ放題。実はこれが楽しみだったりする。砂都ちゃんに最初に声をかけた2番はここからドリンクを持って行き手渡す事でさり気なく会話を始めていた。早足で近づいて来た14番がケーキを幾つか皿に乗せ砂都ちゃんの元に戻って行った。12畳程度のスペース内にツーショットも含め幾つかのグループが作られていく。 「あの…」 「はい」 「お話、いいですか?」 「はい。お願いします」 ニッコリと笑う。番号は11番。途中で他の女性や3番、6番も混じり最後まで他愛のない会話をしてフリータイムは終わった。フリータイムの感想?チーズケーキはなかなか美味しかった。 「では、最後にシート提出をお願いします」 私が書いたのは9番。喋ってないしカップル成立するわけがない。
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