想い出が始まる前に

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何となく流れで9番と一緒に会場から出て、砂都ちゃんカップルと纏まってエレベーターに乗り込み外に出て来た。 カップル成立の際お決まりの儀式があり、2人はみんなの前で握手を交わす。今日、私も当然握手をしたわけなのだか、目も合わせず会話もないという…何とも冷えたカップルに見えた事だろう。 「じゃ、ここで解散しましょう」 砂都ちゃんはそう言って7番と一緒に去って行った。 「…」 9番が黙っている。 「あ、じゃ、私はここで。お疲れ様でーす」 気まずすぎて一刻も早く帰りたい。 「あの」 「はい?」 「城南高校の柳瀬さん…ですよね?」 「え?」 「俺、藤宮高校のバスケ部だったんですけど」 「藤宮…」 「6番」 「あー…あ。…うん‼︎佐々木、翔也︎君?」 思い出した。言われてみればそうだ。この顔、面影がある。 「懐かしいー。覚えてるよ。スリーポイント‼︎」 「ちょっと話、していかない?」 「うん‼︎」 9番は6番だった。
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