序章1

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序章1

 魔法は踊るよ。  生地に魔法を練り込んで。  音楽家がタクトを操るように、魔法使いは魔法の杖を操ります。  機織り済んだら風、  機織り済んだら火、  機織り済んだら水、  機織り済んだら土、  色んな自然のパワーを魔法で融合させて、  あらよ  ほらよ  よいさ  ほらさ  魔法使いの魔法の生地は織り上がります。  強く強く、  ドラゴンの口から吹く炎からも火傷しない、負けない洋服。  しなやかに、  雨にも氷にも風にも耐え、負けない冒険者の傘やテント。  固く硬く堅く、  槍やら刀や剣から守る鉄板みたいに、強固なフードマント。  偉大な魔女に偉大な魔法使いの作る生地は、たいへん重宝されています。  加工はまた別の魔法職人が手掛けておりますが、魔法生地織り職人は厳しい修行や熟練の魔法技術がいりますので、職人はなかなか人数が育ちません。  勘も魔法も、高等で。  持ち合わせた性格や気性も得意も魔法の癖や特徴も、素敵で不思議で強くて丈夫な魔法生地の出来栄えにははっきり出ると申します。
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