エピソード1

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エピソード1

 社会人になって間もない頃、女友達で集まると専ら「どんな異性がタイプ?」という話に花が咲いた。  浮いた話に全く興味のない私はつまらなくて仕方がなかったが、ある程度話の輪に入った方が気を遣わせなくて済むだろうと一人の時に適当な答えを考えた。  その日はちょうど雨が降っていた。私はふっと思いついた。  例えば2人でいる時に雨が降り出したら高級傘を買ってくる人。これは完全にアウトだ。 野球でいうボール、ストライクと言う範疇を超えて完全にデッドボールであろう。価値観が全く合わない。  次にビニール傘を買ってくる人。俗に言う親切な人。これはボールといったところであろう。わざわざ無駄にお金を使ってまで大切にしてもらわなくても構わない。  では、どんな人がタイプかというと「目的地まで雨でズブズブに濡れながらも一緒に走ってくれる人 。」こんな人じゃないと絶対嫌だ、とその時は強く感じた。つまり当時、私はかなり過激な発想しながら毎日送っていたということだ。  今は?と自分に問い直すと「出かける前に天気予報をチェックして傘が必要か教えてくれる人。」であろう。だいぶまともな考え方をする私になった。
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