迷って揺れて、辿りつく

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***プロローグ 自分の適性に合う仕事って何だろう。 私がそんな事を考え始めたのはかれこれ6年前だが、今でもその答えは出ていない。 その時の私は、長い間携わっていた仕事に限界を感じて、その仕事を辞めたばかりだった。 一緒に苦しい厳しい訓練を乗り越えて来た仲間から、もちろん上司からも引き止められたが、押し切ったのだ。 この世には転職に関する情報は溢れていて、初めての転職活動と言うより、就職活動そのものが初めての私は、どうしていいか全くわからないままではあったが、有名転職サイトに登録してみる事から始めた。 転職サイトにはアドバイザーなる人物のコラムがあり、適職を探す為の簡単なチャートがあり、時間がある私は暇にまかせてひとつひとつサイト内のページに目を通しながら、派遣社員の仕組みを初めてきちんと理解したのだ。 有期契約で要請された企業に派遣されて、契約内容の業務を行う事や、業務として拘束される時間も基本的に決まっていて、逸脱する場合は規定の金額より高額な時給が発生するので、残業や休日出勤は少ない事は、強引に押し切るようにして仕事を辞める私に提示された交換条件にも都合が良いと思われた。
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