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「せっかくだから言うけど俺はえまと結婚したくて仕方ないよ」
「はい…?」
ここにきて想定外のワードをぽいっと簡単に私に投げかける。
仕事が忙しく、キャリアを積む時期だというのに結婚をしたくて仕方がないという。
何故?という疑問で脳内がいっぱいになる。
私の左手を顔の前に持ってきて薬指に軽くキスをした。ビクッと肩を震わせる私をみてクスクスと笑う。
その言動一つ一つに毎回ドキドキさせられている。
「俺はえまと離れる気は無いし一生離したくない。独占欲も強いってことが自分ではっきりわかったしえまを早く独り占めしたい」
「もう私は亜希くんのものです」
そう言うと亜希くんは大袈裟にため息を吐いて「そういうところだよ。煽んなよ」という。
「えまは俺のものだけどそれを形で表したいだけ。絶対に離さないって意志を世間に示したいんだよ。だからそのつもりでいてほしい。それにえまが結婚してくれるなら俺はもっと仕事頑張れる」
「…はい」
なんだかいいように言いくるめられている気もするが私も同じ気持ちであることは確かだし結婚してずっと一緒にいるのも素敵だと思った。
「よし、じゃあさっき“そのまえに”話を聞いて欲しいって言ったよね。話は終わったから…」
そういうと彼はするりと私の太ももを撫でぐっと膝を立てると足の間に体をいれる。
慌てる私なんかお構い無しに顔を近づける。
「待って!」
「待たない」
意地悪に笑う彼に私は今日も夢中なのだ。
降参して私は全身の力を抜いた。
それを合図に彼はこれでもかというほど甘いキスをした。
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