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「ンッ」
やたらと色気ある声を出して、寝返りを打つ水色の髪の若者。
癖の強いふわふわとした前髪の下を覗いてみても、残念なことに相手は男。
まさに絶句。
(昨夜何があった?)
口元に手を当てたまま、脳ミソだけはフル回転。
寝返りを打ったことでうつ伏せになった、色白な青年の肩が俺の肩まで数センチ。
「ンーー…………」
もうじき起きそうなのか、青年の唸り声が音のない寝室へ響いた。
「起こすべきか?」
額に手を当てながら独り呟く。
結婚式の二次会のあと。仲間内だけで三次会と、男四人でダーツバーへ行った。
ワンゲームごと、最下位のやつがイッキする。
記憶の最後に残ってるのは。
(やべぇ、ダーツの途中から記憶そのものがあやふやだ、俺)
最悪だった。
久々に集まれた懐かしい面々との再会。
結婚したのが、初めて付き合った元カノだったことも相俟って、正直ヤケが回っていた。
「だからって、なんで」
寄りにもよって、野郎が寝てる。
しかも真っ裸で!
時間を一日巻き戻したい。
人生で、初めて本気で、そう思った。
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