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その印象はバレエのジゼル、
ふわっとしたロマンティックチュチュ風のベージュのスカート、
ブラウスは白の綿ローンで透け感があり、フリルで軽やかだ。
細い紐のサンダルは、足首の細さを強調している。
その身に着けているものすべてが、華奢な体を包み、品よく可愛らしくまとめている人だった。
「何を見ましょうか?」
私は、愛想よく聞いた。
彼女ははにかみ、恥ずかしそうに
「好きな人がいるのですが、その人の事を・・・・」
「どのようなご関係ですか?」
彼女は籠バックから、総レースのハンカチを取り出し、手に握りしめた。
乙女だ・・・・
「その、音楽サークルで、指導者の先生がご病気になって、代理で来てくれている先生なのですが」
彼女は、やわらかな笑みを浮かべた。
「とっても親切にしてくれて。
よく話しかけてくれるし、お話していてとっても楽しい方ですから」
「できれば、お付き合いをしたいとお考えですか?」
彼女は小首をかしげて、微笑んだ。
私は、彼女が否定をしないので、YESだと受け止めた。
この場所で繰り広げられる恋愛問題は、「付き合う・付き合わない」の二択だ。
「それでは・・タロットカードで見ましょうね」
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