01 安藤恭太

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 しかし、女の子と会うとなれば話は別だ。  多かれ少なかれ、彼女たちは僕らの服装をジャッチする。無意識レベルで「あり」か「なし」かを分別する。服装を重視するタイプの女子かどうかにもよるが、ここで「なし」になればその後どう挽回したところで希望はないに等しいだろう。  とにもかくにも、これまでの勝負で負け続けてきた僕にも服装では絶対に失敗しない自信があった。最初は僕だって「イカ京」と呼ばれても仕方がないほどのダサい格好をしていたのだ。学の言う反省を繰り返したことで、服装には迷わないようになった。まあ、そういう彼は甚平を私服としているからこれまたわけが分からないが。 「ふう」  服装、髪型共になんとか直視してもらえるレベルにはもっていくことができた。  時間を見ると、待ち合わせの14時まで1時間ある。待ち合わせ場所は京都随一の繁華街、四条河原町にあるとあるパフェ屋さんだ。女の子は甘いものに目がない、という帰納法的見解から、学が提案してくれたのだ。先方もパフェ屋さんでOKとのこと。やっぱりこれまでの闘いは無駄じゃなかった! 「そろそろ行くか」  13時20分を過ぎた頃、僕は自宅から最寄り駅である京阪出町柳駅まで自転車を漕いだ。そのまま自転車で四条まで行けないこともないが、待ち合わせの際に汗だくになっているのだけは避けたかった。出町柳駅に自転車を置き、そこからは電車に揺られた。 祇園四条駅まではものの数分で到着した。鴨川を渡り、目的地へと急ぐ。待ち合わせ場所である店の前に着いたとき、時刻は1時52分だった。見たところによると学の親友(以下省略)らしき女の子はまだ来ていない。よし、完璧な時間だ。  10分ほど待つと、白いブラウスに黒のショートパンツを履いた女の子がきょろきょろと辺りを見回しながら歩いてくるのが見えた。ショートパンツとロングブーツの間から覗く肌が麗しい……じゃなくて、彼女が待ち合わせしている子なのかどうか、確かめなければ!
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