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「あのぅ……」
初めて会う人に話しかけるこの瞬間が一番緊張するっ。
なんとなく学から彼女に関する外見の特徴は聞いていたが、万が一違った場合はただのナンパ野郎になってしまうじゃないか。
「もしかして、安藤恭太さん?」
「は、はいい!」
幸いにも彼女は学から紹介してもらった女の子で間違いなかった。
「私、江坂真奈です。よろしくお願いします」
「よ、よろしく」
江坂さんはぺこりと頭を下げて小さく微笑んだ。か、かわいい。特別美人というタイプではないが、自分に向けてくれる笑顔を見るとほっこり癒される気分だ。
「お店、入りません?」
「そうやね」
パフェ屋さんに入ろうと振り返った彼女の髪の毛からフワーっと香る金木犀の香りが鼻腔をくすぐる。なんて、なんて言い匂いなんだ。僕は未だかつてこれほど可憐な香りのする女の子に出会ったことがない。
「ここ、初めてなんですよね」
「僕も初めてだよ」
「ふふ、でも一回来てみたかったから嬉しい」
「それは良かった」
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