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自分とぶつかり合い転びそうになる宮崎愛を目の当たりにして、俺は彼女の手を掴み、その勢いで彼女の肩を抱きついた。
「大丈夫?」
「へっ?あっそっの......」
俺の腕に倒れた宮崎愛はもうすっかり赤面になり、緊張してどもってしまった。
ヤバい!今回のループ俺は愛と付き合っていない、こんななれなれしく下の名前を呼ぶじゃダメだ。
急に後ろからの冷たい視線を感じて、俺は慌てて彼女を放した。
「あっ、ごめん、それじゃあお先に」
こう愛と告げて、俺は早歩きで廊下から離れた。
間違いない、先の視線は俺を狙ったヤンデレだ。また彼女に俺が他の女の子と一緒にいる姿を見られた。
今さらどうにもならない、状況次第に臨機応変しかないだ。
家に戻った俺は自分の部屋のドアの錠に鍵をかけ、窓を開けて通風も確保した。そして、小学生の頃に買ったバットを手に握りしめ、部屋の隅にしゃがんで犯人を待つ。
夜になり、眠くなっていた俺は突然「カチャッ」という音を聞いた、玄関の鍵が開かれた!
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