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これを気づいた瞬間、俺は一瞬に目覚め、手にもったバットを再び握り締め、犯人の到来を待つ。
「パダッパダッ」
足音がますます近づき、俺の額に汗がどんどん増えていった。そして足音がドアの前で止まり、俺も息を詰めた。
“ドンドンドン”
「お兄ちゃん、もう寝た?」
今は応答しちゃだめだ。彼女は俺が眠っているかどうか試している。もし俺は声を出したら、彼女は前回のループと違う行動にとるんだ。
「カチャッカチャッ」
部屋の鍵は開かれ、俺はバットを高く挙げて彼女を撃とうとした。部屋に入った玲は俺のベッドの方向に覗き、後ろの陰に隠れている俺のこと全然気づかなかった。
でも、撃たない。自分と16年ずっと一緒にいた妹に、撃たない!
「パダッ」
バットが地面に落とし、いつの間に涙が俺の目から流れた。
「っえ?なに?兄ちゃんいたんだ、もうビビらせるなよ!えっ?どうした?何で泣くの?」
「えっ?いや、汗だよ汗、ちょっと運動しただけさ」
「ならはやく着替えて、服びしょびしょだよ」
「あっおお」
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