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少し指を動かすとクチュっと厭らしい水音を立てた。こんなのは駄目だ、我慢しろと言われていたのにはしたない。
頭ではわかっているのに、火照った身体を鎮めたくて気が付けば指の動きが激しくなっていく。
「んっ…は…あっ」
指を二本にして抜き差しすると、奥の方が疼いてしまい、指だけでは物足りなくなってくる。
もっと、太いもので掻き混ぜて欲しい。指よりも太くて硬い、熱い楔を打ち込んで、めいっぱい揺さぶって欲しい。
そんな淫らな欲望が湧き上がってきて、三本目を挿入すると中がきゅうっと締まった。
こんなこといけない、ダメなのに。
頭の片隅に残る理性が訴えかけてくるけれど、そんなものはもう意味が無い。蕩けきっているそこを掻き回すと、くちゃくちゃと卑猥な水音が室内に響き、それが余計に羞恥心を煽った。
「ふぁ……あっ、あっ……んっ」
もっと奥まで挿れたい。もっともっと気持ちよくなりたい。
そんな欲求に駆られて、いつの間にか夢中で指を動かしていた。
バラバラと動かすと、あっと言う間に達してしまいそうな程の快感に襲われる。
「あ……っ、やぁ……やば、イきそっ」
もう少し、あとちょっと……そんなところで、ガチャリと脱衣所の扉が開く音が聞こえ、慌てて手を止め身体を起こして体育座りをしながらクッションを強く抱きしめた。
「……あ? 何してんだよ」
「な、なんでもありません……」
慌てて誤魔化すも、橘は怪しむように目を細めて雪哉を見つめてくる。
「……一人でシてただろ」
「ち、違います……っそんな事、するわけないでしょ!?」
「嘘つけ。そんなエロい顔して……バレないとでも思ってるのか?」
橘は雪哉の顎を掴むと強引に視線を合わせてきた。その瞳は情欲に燃えていて、思わずゴクと生唾を飲み込んだ。
「っ……し、仕方ないじゃないですか……」
「ん?」
「あんな風にされたら、誰だって……」
「我慢出来ねぇって?」
「っ……悪いですか?」
恥ずかしさを隠すためにプイッと顔を逸らすと、視界の端で橘の口角が上がった気配を感じた。
すると突然後ろから抱き締められ、耳に熱い吐息がかかる。
「悪くねぇよ。寧ろ嬉しい」
低い囁き声と共に鼻先が項に押し付けられ、スンッと匂いを嗅がれてビクンッと身体が跳ね上がった。
「っあ……」
「雪哉は本当に可愛い奴だな。でも、後二日、我慢な? そしたらめちゃくちゃに犯してやる」
橘はクスリと笑うと、雪哉の耳を食みながら甘さの滴る声色で言葉を流し込んできた。
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