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悲しき再会
深夜の仮眠室で見つめ合う二人
「こんなことって…あるんだな」
「ねぇ!私もビックリ!…でも何で全裸で寝てたの?」
「そ、それは…仁美が一番よく知ってるだろ?俺は暑くなると服脱いで寝る癖があるから…」
「そ、そうだったよね…!ごめんね、いきなり夜這いみたいだよね…」
男は無言で仁美を抱き寄せると耳元でこう囁いた
「俺たち…やり直せるかな?」
かつては恋人同士だった二人だが
ある日仁美が突然姿を消しその恋は幕を閉じた。
「うぅん…きっと…それは…無理よ!だって…私は」
そう言って仁美は男の首筋に鋭い牙を立てた。
「うわー!どうした、どうしたんだ、仁美!」
「私…あなたのアレが無いと生きていけない身体なの」
男の首筋から真っ赤な鮮血が滴り落ちる。
仁美は妖怪、飛縁魔の末裔、
愛する人の血をすすることでしか
生き永らえることの出来ない
悲しい運命の下に生まれた妖怪だった。
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