9人が本棚に入れています
本棚に追加
本格的にヤバイと思ったのは、20歳を過ぎた時。
風呂場で洗髪をした後、排水溝に溜まった大量の髪の毛を見てギョッとした。
それからは、市販の育毛剤に金をつぎ込む日々が始まった。しかしどれも効果はなく、次に手を出したのはネットで流行っていた頭皮マッサージ器具や飲み薬。
まだ若いし、少し手を加えれば大丈夫だろうと、この時はまだ変な過信があったのだ。
だけどその期待はことごとく裏切られていった。
前髪は変わりないのに、頭頂部だけがみるみるうちに薄くなっていったのだ。鏡でみた自分の頭は、まるでブラックホールのように思えた。
最初のコメントを投稿しよう!