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いよいよ運動会。
四年三組は教室に全員集合。しぐれさんも参加します。
雲ひとつない空の下、みな、かおをほころばせました。
しぐれさんは泣きそうなかおをして、ひなた君に頭をペコっと下げました。
「ありがとう、ひなた君。私、運動会に出られるんだね」
「当たり前だ! クラス全員が出ないと意味ない」
ひなた君は教室のみんなに声をかけます。
「三組、優勝するぞー!!」
おおお!!! と、みんながこぶしをかざして声を張り上げます。しぐれさんもこぶしをおずおずと上げました。
午前中、運動会は、大玉転がしや低学年の徒競走が行われ、三組の成績は二位となりました。
昼休み、ひなた君はみんなを励まします。
「午後はおれたちの出番だ」
四年生達は盛り上がります。
「ひなた! リレーと徒競走で絶対一位を取るんだ! そしたら優勝だ!」
優勝はひなた君の肩にかかっています。ますます四年三組の闘志は上がります。
しかし。
突然、大粒の雨がポツポツ降り出し、あっという間に滝のような雨が校庭に降り注ぎました。
いつまでも雨はやみません。
児童全員が、教室に戻ります。
一時間後、校内アナウンスが入りました。
「残念ですが、運動会は終わりにします」
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