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「せんせー、あれ、やばくないですかあ?」
「おれたちいじめたわけじゃなくて、運動会の中止が悔しかっただけです」
子供達は次々と先生に訴えます。
「何度も言っただろ! しぐれは普通の人間じゃない! あれぐらい我慢しろ!」
「でも、気持ち悪いよ」
先生は、ひなた君の席に進みます。
「ひなた! お前が調子に乗ってしぐれをたたきつけるからこーなったんだろーが! どうやっても集団になじめない人間は、いるんだよ! ああいうのは、放置が一番いい! カーストトップでふんぞりかえってるお前も、少しは勉強になっただろ!」
ひなた君は、先生の剣幕に何も言い返せません。
「せんせー! ひなた君は悪くないです!」
「外れもののしぐれさんと友達になろうって、がんばってたんです!」
「悪いのは、勘違いしたしぐれさんです」
クラスの騒ぎは止まることを知りません。
こらえきれずひなた君は、立ち上がりました。
「おれが全部悪いんだ!」
男の子は教室を後にして、廊下に飛び出しました。
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