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しぐれさんは細い目を目一杯開きます。
「な、なんで? 私に無理に付き合わないで!」
「遠足、しぐれさんがいなくて楽しくなかった。しぐれさんが休んだ運動会で優勝したって、面白くない。全員が出て負ける方がずっと楽しいよ」
「そういうこと言うなああ」
しぐれさんは途端に泣き出しました。
クラスメートが泣きやまないので、ひなた君は、びしょぬれの彼女の頭をそっとなでます。
「やめて! 私の頭びちゃびちゃ! ぬれるのいやなんでしょ?」
しぐれさんの涙は止まることを知りません。
「私、ガキじゃないよ!」
ひなた君は何も言わず、ずっと頭をなでていました。
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