5人が本棚に入れています
本棚に追加
ひとしきり泣いて落ち着いたしぐれさんは、スクッと立ち上がりました。
「これからも勝負しよ! 私の雨の力とひなた君の晴れの力、どっちが強いか。ね?」
ひなた君も立ち上がり、大きくうなずきました。
「おれもニセモノのままで終わりたくない。今回は引き分けだ。途中まで晴れだったし」
「うん、引き分け」
二人が校庭を見渡すと、雨はやみ、晴れ上がっていました。
空の光景に二人は目を見張ります。
「ひなた君……お日様と雨って、仲良しなんだね」
「今回はおれとしぐれさん、どっちも勝ちだ」
二人が青空の中で目にしたのは、太陽と雨が力を合わせて作ったもの――
七色に輝く大きな虹でした。
最初のコメントを投稿しよう!