晴れ男君と雨女さんの運動会

待ちに待った運動会

「明日は運動会だぞ。みんながんばれ！」

　先生が、教室にエールを送ります。

「ひなた、お前は後半のリレーでぶっちぎるんだ！」

　ひなた君は力強くうなずきました。四年三組のみんなが「ひなた」「ひなた」と盛り上がります。
　おずおずと、しぐれさんが近づいてきました。

「ひ、ひなた君、がんばって……」

　しぐれさんは、ぼそっと目をそらしてつぶやきました。
　うつむくしぐれさんの肩を、ひなた君はポンとたたきました。

「何言ってんだよ！　しぐれさんも一緒にがんばるんだよ！」

　が、三組のみんなは戸惑っています。

「でもー」「しぐれさんが出たら、雨が……」

　戸惑うみんなの元へ、先生がツカツカと割って入りました。

「しぐれ無理すんな。運動会はひなた達に任せてお前は休んでいいぞ」

　先生の言葉にクラスはシーンと静まります。
　が、みんなの沈黙をひなた君が破りました。

「みんなが出ない運動会は意味ないです！　全員参加で優勝します！」